一言で言うと、「最初に思い描いていた設計図は、跡形もなく崩れた」。
それでも今、スプレッドシートに商品を1行入れると、15分以内に記事が生まれてXに4回投稿される仕組みが動いている。
なぜ最初の設計図が崩れたのか。どうしてこの形に辿り着いたのか。その話を書く。
最初の設計図:「完全自動化」という夢
「ズボラちゃんの妄想通販」を作り始めた頃、頭の中にあった理想のフローはシンプルだった。
楽天API → Make → Claude → WordPress → X
楽天のAPIから直接、売れ筋商品のデータを取ってくる。そのデータをClaudeに渡して記事を書かせる。WordPressに自動投稿して、Xにも自動告知する。人間は何もしない。完全自動化。
絵に描いたように美しいフローだった。
現実は、そうはならなかった。
【第一の壁】楽天APIが、Makeを完全に拒否した
Makeから楽天のAPIを叩いた瞬間、こんなエラーが返ってきた。
Service is not reachable
DataError
URLのスペルミスかと思って見直した。大文字の「I(アイ)」と小文字の「l(エル)」が見た目ほぼ同じ問題に気づいて修正した。新しいアプリIDを発行し直した。楽天のデベロッパー登録画面で、アプリタイプを変えながら何度も試した。
Makeが使うIPアドレスを調べたら16個あった。16個、全部、手動で、一個一個、楽天の許可リストに登録した。
テストした。
Service is not reachable
16個登録しても、変わらなかった。
ここで気づいた。Makeは海外のサーバーから動いている。楽天のセキュリティは、海外からの自動アクセスに対して根本的に防御的な設計になっている。IPを登録しても、アクセスのパターンがボット的と判定されれば弾かれる。正面突破で勝てる相手ではなかった。
【第二の壁】Googleトレンドも、壁だった
楽天APIへの直接接続を諦めて、次に目をつけたのがGoogleトレンドだ。リアルタイムのトレンドデータを取得して、旬の商品と連動した記事を作ろうとした。
調べた。試した。
同じ問題が出た。海外サーバーからのアクセスはここでも弾かれる。楽天APIのときと本質的に同じ壁だった。
Googleトレンド、ダメ。
【転換点】完全自動化を、諦めた
ここで一度立ち止まって考えた。
「完全自動化」にこだわっている間、サイトは止まっている。記事は一本も生まれていない。収益はゼロのまま。完璧な仕組みを追いかけて、肝心のコンテンツが積み上がらない状態は、最悪の選択だ。
方針を変えた。
「手動で選んで、あとは全部自動」。
楽天で商品名と商品URLを手動で拾ってきて、スプレッドシートに入力する。Makeはそのスプレッドシートを読み込むだけにする。楽天と直接戦わない。
遠回りに見えて、これが最も安定した設計だった。
【第三の壁と第四の壁】Make内部での格闘
迂回ルートに切り替えてからも、壁は続いた。
Makeのモジュールには自動で番号が振られる。途中でモジュールを追加・削除すると番号がずれる。手打ちで「1番のデータを渡す」と書いていたマッピングが、気づけば「21番」を参照しなければならない状態になっていた。Claudeが受け取るのは空のデータ。当然、記事にならない。
WordPressに記事を投稿すると、Makeに返ってくる情報は「Post ID(記事番号)」だけだ。きれいなURLは返ってこない。Xへの投稿URLが作れない状態になった。
ClaudeはJSONを出力するとき、親切にもマークダウンの飾り文字で囲んでくれる。ところが後ろのモジュールが期待しているのは「生のJSON」だけだ。飾り文字が1文字でも混じると、パースが失敗してシナリオ全体が止まる。
これらを一つずつ潰した。
その解決法の詳細は、noteで書いた(リンクはこちら)。
現在の完成フロー
すべての壁を乗り越えた結果、こういう形になった。
【手動】楽天で商品名・商品URLを拾う → スプレッドシートに入力
↓
【自動】Google Sheets → Claude(タイトル生成)→ Claude(本文生成)
↓
【自動】WordPress自動投稿
↓
【自動】Router(処理を分岐)
↓
【自動】スプレッドシート更新 + Claude(X投稿文生成)
↓
【自動】Buffer → 朝・昼(URL付き)・夕・夜の4回自動投稿
スプレッドシートに1行入力するだけで、15分以内にこの全工程が動く。
商品を「選ぶ」部分だけ人間がやる。それ以外は全部、機械が動く。
「完全自動化」じゃなかったけれど
当初の目標とは違う形で完成した。「完全自動化」ではない。
でも今はこう思っている。商品を選ぶのは人間の判断が入ったほうがいい。機械的に収集した売れ筋商品より、「これ面白い」と思って選んだ商品の方が記事に温度が出る。ズボラちゃんの「妄想感」は、人間が選んでこそ生まれる。
「手動で選んで、あとは全部自動」は妥協ではなく、意図的な設計変更だったと今は思っている。
次にやること
フローが動いた。次は量を積む。
スプレッドシートへの入力を続けて記事を積み上げていく。どのジャンルがクリックされやすいか、データが蓄積されていく。それもここで実況する。
また報告しにくる。
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